PC用メガネとは?効果やメリット・デメリットを解説
更新 2023/04/28
投稿 2022/10/28
我妻 三朗 監修
更新 2023/04/28
投稿 2022/10/28
目 次
デスクワークやスマホを長時間利用されている方で、「目がチカチカする」「目が疲れる」「寝付きが悪い」などで悩んでいる方はいませんか。
そのような方におすすめをしたいのは、PC用メガネです。レンズがディスプレイから発せられる光の刺激を抑えることで、睡眠の質を改善できるなどの効果が期待できるためです。
本記事では、PC用メガネの効果やメリット・デメリットについて解説します。ぜひ参考にしてください。
1. PC用メガネとは
PC用メガネとは、「PCやスマホから発せられるブルーライトを軽減できる」「ピントを近くに合わせている」という特徴を持つメガネです。
この2つの特徴から、長時間のPC作業でも目が疲れにくくなります。デスクワークが多い方や、スマホを長時間利用される方に向けたメガネといえるでしょう。
1-1. ブルーライトとは
もそも、「ブルーライトを軽減することがなぜ良いのか」と疑問に感じている方もいることでしょう。そこで、まずはブルーライトが目に与えるデメリットについて解説します。
ブルーライトとは、その名前のとおり「青い光」のことです。波長は380~500nmで、可視光線の中でもエネルギーが強く波長の短いことが特徴です。波長が短いと光が散乱しやすいため、チラつきやすく目がチカチカする原因となります。反対に、レッドライトの波長は、640~770nmでチラつきにくいのが特徴といえます。
PCやスマホの液晶画面からは、このブルーライトが発せられているため、長時間画面を見続けていると目の疲れなどを引き起こすのです。
また、ブルーライトは体内時計の調整に影響することで知られています。具体的には、ブルーライトを朝・日中に浴びることで体内時計を正常に戻すように働きます。
しかし、夜間帯でも浴び続けてしまうと、脳や体が日中であると錯覚してしまいなかなか寝付けない原因となるのです。ほかにも、チラつきやすい光によって知らぬうちに目に疲れがたまり、目の痛みなどの原因ともなります。
1-2. 反射タイプ・吸収タイプの2種類
PC用メガネは、ブルーライトをカットするための方法によって2つの種類があります。選ぶ際のポイントにもなりますので、各種類について以下より解説します。
反射タイプ
反射タイプは、レンズでブルーライトを反射させることで目に到達する光を抑えます。反射タイプの特徴は、レンズが透明であるため普段使いにも適していることです。
しかし、レンズが反射しやすいように設計されていることはデメリットにもなります。例えば、周りから見るとレンズが反射してしまい青っぽく見えることや、蛍光灯などの光をレンズの内側でも反射してしまうためチラつきが気になることです。
また、反射タイプは透明なレンズを利用するため、どうしてもブルーライトカット率が低くなる傾向にあります。カット率を高めたい場合は吸収タイプが良いでしょう。
吸収タイプ
吸収タイプは、レンズでブルーライトを吸収する方法のPC用メガネです。具体的には、色付きのレンズによりブルーライトを吸収します。そのため、吸収タイプの特徴は色付きレンズであることと、ブルーライトカット率が高いことです。
吸収タイプは、普段使いにあまり向いていないこと、メガネをかけると色付いて見えることがデメリットとなります。接客の機会の少ないデスクワーカーや、自宅で仕事をされるテレワーカーなどに向いているといえるでしょう。
一方、吸収タイプは反射タイプと比べるとチラつきが起こりにくいため、作業に集中できることがメリットです。長時間デスクワークをされる方におすすめです。
2. PC用メガネの3つのメリット
PC用メガネは、ブルーライトをカットできるという特徴から3つのメリットがあります。
2-1. 夜間に使用することで、眠りやすくなる
ブルーライトは朝・日中に浴びることで、脳が日中であることを感じ取り覚醒しようとします。このため適度にブルーライトを浴びることは、体内時計を調整するために有効であると考えられています。しかし、夜間のブルーライトは寝付きが悪くなる原因です。
「寝る前にスマホを操作しない方が良い」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。これは、寝る前にスマホからのブルーライトを浴びて、脳を覚醒させないようにするためです。
同様の原理で、夜間帯にPC・スマホを操作する際にPC用メガネをかけることで、眠りやすくなる効果が期待できます。
2-2. 目の疲れを軽減できる
エネルギーが強く・チラつきやすいブルーライトを長時間浴びながら作業をしていると、目に負担がかかります。目がチカチカしている方や、目の疲れに悩んでいる方にとっては、少しでも目の負担を減らすことが大切です。そのような方は、PC用メガネを装着してブルーライトを抑えるのが有効な手段でしょう。
目の疲れが肩こりの原因や頭痛の種になることもあるため、目の疲れがたまっていると感じる方は利用を検討してみてください。長時間デスクワークをして目を酷使する方には、目の保護や疲れを軽減するためにも使用をおすすめします。
2-3. 紫外線をカットできる
ブルーライトの波長は先に紹介したように380〜500nmです。そして、人体に有害なことで知られる紫外線の波長は380nm以下となります。つまり、ブルーライトよりも波長が短くなると、目に見えなくなり紫外線となるのです。
紫外線は肌に当たれば日焼けの原因となるように、目にとっても有害な光です。過剰な量を浴びることで眼病のリスクを高めるとされています。例えば、角膜に炎症を起こす原因となったり、白内障の原因となったりすることもあります。
PC用メガネは、ブルーライトだけではなく紫外線も同時にカットできるのがメリットです。このような眼病リスクから目を守るためにも、PC用メガネは有効な手段といえるでしょう。
3. PC用メガネの3つのデメリット
PC用メガネはメリットばかりではなく、デメリットもあります。購入する際には、デメリットについても理解を深めたうえで検討してください。
3-1. 子どもの使用は推奨されていない
子どもにとって太陽光の刺激は、発育に影響があるといわれています。子どもがPC用メガネをかけると、日中の太陽光による刺激も抑えることになりかねません。そのため、ブルーライトを浴び続けるリスクよりも、PC用メガネをかけることによるデメリットの方が上回る可能性も指摘されています。
3-2. 見える色が変わってしまう
吸収タイプのように色付きレンズであれば、見える色に大きく影響するのはわかりやすいでしょう。しかし、透明な反射タイプであっても実際の色みと若干変わることに注意が必要です。その理由は、ブルーライトを除去するためカラーバランスが変わってしまうためです。このため、イラストレーターやデザイナーのように、色が重要な職業の方には向いていません。
3-3.目の疲れやすさが改善しない場合もある
PC用メガネを装着することで、ブルーライトを除去してチラつきの少ない光で作業ができます。しかし、必ずしも目の疲れを改善できるとは限らず、人によっては変わらないと感じる方もいます。
4. PC用メガネを選ぶ際のポイント
PC用メガネを選ぶ際のポイントは、「ブルーライトカット率」「反射タイプ・吸収タイプのどちらにするか」の2つです。
4-1. ブルーライトカット率
PC用メガネを選ぶ際には、まずブルーライトのカット率を確認してください。ブルーライトカット率には「25%」「40%」「60%」のように様々な種類があるためです。
ここで、ブルーライトカット率の高い「60%」のメガネが最も効果的だと感じるかもしれません。しかし、必要以上にカットするのは逆効果となることもあります。
参考までに、使用シーンごとのカット率の目安は以下のとおりです。
- 明るい部屋で短時間の使用の場合は「25%」
- 明るい部屋で長時間の使用の場合は「40%」
- 暗い部屋で使用する場合は「60%」
購入する際には、自分の使用シーンから上記の目安に近いカット率を選びましょう。
4-2. 反射タイプ・吸収タイプ
PC用メガネを選ぶ際の2つ目のポイントは、反射タイプ・吸収タイプのどちらにするかです。
反射タイプは、透明なレンズのため普段使いできるのがメリットです。しかし、ブルーライトカット率の低いことがデメリットとなります。また、周りの光を反射させてしまうため、メガネの端がチラつきやすいことにも注意が必要です。
一方、吸収タイプは色付きのレンズのため使用できるシーンが限られてしまうものの、カット率が高い傾向にあります。光を吸収するため反射タイプよりもチラつきにくく、長時間デスクワークをする方にとっては心強い味方となるでしょう。
5. メガネを使い分けて目の負担を減らそう
PC用メガネは、ブルーライトの悪影響から目を保護するのに役立つメガネです。PC・スマホを操作する方にとっては、目の疲れの軽減・睡眠の質の改善といった効果も期待できます。PC用メガネのメリットを得るためには、利用するシーンに合わせたブルーライトカット率や反射タイプ・吸収タイプを選ぶことが大切です。
「普段は一般的なメガネ」「長時間のデスクワーク時にはPC用メガネ」を使用するといった、メガネを使い分けることで目の負担を減らせます。まだお持ちでない方は、疲れたときに備えて購入を検討してみてはいかがでしょうか。
我妻 三朗 監修
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