調光レンズはメガネとサングラスの2役!メリット・デメリットを解説

更新 2023/04/28

投稿 2022/11/06

我妻 三朗 監修

更新 2023/04/28

投稿 2022/11/06

目 次

    サングラスには、「調光レンズ」「偏向レンズ」「ミラーレンズ」など様々なタイプのレンズが使われています。その中でも、サングラスを何度もかけたり外したりするのが面倒という方におすすめなのは、調光レンズです。

    調光レンズは紫外線などに反応してレンズの色が変わるため、室内で普通のメガネ、屋外でサングラスとして利用できるためです。メガネ・サングラスの2役をこなせるので、旅行の際に荷物を減らせるのも魅力といえるでしょう。

    本記事では、調光レンズの仕組みやメリット・デメリットについて解説します。

    1. 調光レンズとは?色が変化するメガネ

    調光レンズとは、紫外線やその他要因に反応して色が変化するレンズのことです。紫外線の量に合わせてレンズの色が変わることも特徴で、紫外線の量が多くなるほど色が濃くなります。

    つまり、屋内では紫外線があたりにくいためクリアな普通のメガネとして、屋外では紫外線に反応して色づくためサングラスとして利用可能です。このように、度付き調光レンズのメガネであれば、メガネ・サングラスの1本2役をこなせます。

    頻繁にサングラスとメガネをかけ替えている方にとっては、利便性に優れているといえるでしょう。

    2. 調光レンズの色が変わる仕組み

    調光レンズの仕組みは、感光物質に紫外線があたると色が変わる現象を利用しています。感光物質の使い方には、「レンズの素材に練り込んでいるタイプ」と「コーティングに利用しているタイプ」の2種類があります。

    レンズの素材に練り込んでいるタイプは、レンズの厚みが均等ではないため色にムラの出やすいのがデメリットです。一方、コーティングのタイプのデメリットは傷などによって剥がれてしまうと、その部分の色が変わらなくなることです。

    感光物質に紫外線の量を多く照射することで多くの化学変化を促せるため、紫外線の量に応じて色が濃くなるのも調光レンズの特性となります。ここで注意が必要なのは、感光物質は紫外線だけではなく、温度にも反応することです。温度が低いほど色が濃くなりやすく、温度が高いほど色が薄くなります。

    つまり、冬場などの寒くて紫外線の多い場合が色の濃くなりやすい条件です。夏場の暑い時期では紫外線の量が多くても温度が高いため、十分に色が濃くならない場合もあります。

    また、調光レンズによっては紫外線に加えて、可視光線にも反応するタイプがあります。

    3. 調光レンズの4つのメリット

    調光レンズは、紫外線の量に応じて自動的に色が変わるため独自のメリットがあります。ここでは、調光レンズの4つのメリットについて解説します。

    3-1. サングラス・メガネの2役

    調光レンズの特徴的なメリットは、1本でサングラスとメガネの2役として使えることです。普通のメガネであればメガネとしてしか使えませんし、サングラスも同様です。どちらも必要とする方にとって調光レンズは、かけっぱなしでも自動的に機能が変わってくれるので、かけ替える煩わしさがなくなります。

    例えば、ゴルフを楽しむ際にクラブハウスではメガネ、ラウンドではサングラスのように、かけ替える必要がなくなります。

    3-2. 持ち運びが1本で済む

    旅行や外出の際に、メガネとサングラスの両方を持って移動するのは荷物がかさばる原因です。調光レンズであれば1本で済むため荷物が減り、アクティブに旅行や外出が楽しめるようになるでしょう。

    また、メガネやサングラスを何本も持つと管理するのも大変になります。例えば、サングラスをかけたいときに、どこにいったのか分からず探すのに手間がかかった経験をした方も少なくないでしょう。調光レンズであればこのような悩みは少なくなり、サングラスを忘れることがなくなるのもメリットです。

    3-3. コストパフォーマンスに優れている

    調光レンズは、メガネ・サングラスの役割を果たせます。つまりは、度付きメガネと度付きサングラス2本分の価値があるといえます。度付きメガネと度付きサングラスを別々に購入するよりも、調光レンズ1本を購入したほうがお得なため、コストパフォーマンスに優れているのがメリットです。

    3-4. 紫外線の量に応じて色が濃くなる

    調光レンズのメリットは、紫外線の量に応じて色が濃くなることです。紫外線の量によって色が変わることで、天気の良い日は色が濃くなり、薄暗いときには色が薄くなります。このように、光の量によって自動的に色が調整されるため、ちょうど良い色加減のサングラスとなるのが魅力です。

    比べて、一般的なサングラスで濃い色の場合は眩しい日に適していますが、薄暗い日には暗くなりすぎます。反対に、色が薄い場合は薄暗い日に適していますが、眩しい日には十分に光を抑えられないことになります。天候に合わせてサングラスを何本も購入することを考えると、1本の調光レンズの購入で済むのは経済的といえるでしょう。

    4. 調光レンズのデメリット

    調光レンズは、感光物質の特性から知っておくべきデメリットがあります。ここでは、4つのデメリットについて解説します。

    4-1. 寿命がある

    調光レンズは、いつまでも色が変化するわけではなく寿命があります。調光レンズの寿命は、色が変わりにくくなったときで、一般的に2年〜3年といわれています。寿命を迎えた調光レンズはやや色づいた状態となるため、レンズの交換を検討しましょう。

    少しでも寿命を伸ばすためには、管理方法が大切です。窓際などにそのまま置いておくと、不要な色の変化が起きてしまいます。何度も色が変わることは寿命を短くする原因となるため、使用しないときはケースに入れて保管してください。

    4-2. 車の運転には向いていない場合も

    調光レンズを運転に使おうと検討している方もいるかもしれませんが、車内では色が変化しないので注意が必要です。その理由は、車のフロントガラスなどはUVカット仕様の場合が多く、紫外線が車内に届かないためです。

    車の運転に利用することを検討されている方は、紫外線だけではなく可視光線でも反応するタイプの調光レンズを選びましょう。

    また、運転時に調光レンズを利用するときの注意点は、トンネルに入った際に見えにくくなることです。調光レンズは、色が変わるのに時間を要するため、突然暗くなったときにすぐに対応できません。色が濃い状態でトンネルに入ると、十分に視認できなくなる可能性があり大変危険です。

    4-3. 色の変化に時間を要する

    調光レンズは、紫外線を浴びると色が変化するまでに数分程度の時間を要します。商品によって、時間に差があるものの、即座に変化をするわけではありません。急に明るくなったり、暗くなったりする状況では、すぐに対応できないのが調光レンズのデメリットです。

    4-4. 色の変化に差がある

    調光レンズのデメリットは、色の変化に差があることです。色が変化する主な原因は紫外線ですが、他にも温度などの影響も受けます。そのため、同じ日差しであっても同じ色合いになるとは限りません。とくに、夏場の暑い時期は色が薄くなりやすいため、夏の日差しが眩しいと感じる方は可視光線で変化するタイプを選ぶか偏光グラスの利用を検討しましょう。

    5. サングラスの種類と違い

    自分に適したサングラスを選ぶためにもサングラスの種類や、調光レンズとの違いについても理解を深めましょう。

    5-1. カラーレンズ

    カラーレンズは色のついたレンズのことで、サングラスの総称です。そのため、調光レンズや偏光レンズなどのように機能を有していないレンズも含まれます。カラーが豊富なためおしゃれなサングラスを探している方におすすめです。

    5-2. 偏光レンズ

    偏光レンズとは、偏光膜により光の反射光(いわゆる乱反射)をカットできるレンズのことです。光のチラつきを抑えられるため、フィッシングでの水面のキラキラや運転での太陽光の反射など、光の眩しさが気になる方にとってはおすすめのサングラスです。調光レンズのように色はかわりませんが、高性能なサングラスといえるでしょう。反対に調光レンズには、反射光(いわゆる乱反射)を抑えてくれる機能がありません。

    メガネとしても使いたいのであれば調光レンズ、光の眩しさを抑えるサングラスがほしいのであれば偏光レンズを選びましょう。

    5-3. ミラーレンズ

    3つ目に紹介するサングラスの種類はミラーレンズです。ミラーレンズはレンズ表面で光を反射させることにより、眩しさを抑えて見やすくしてくれます。スキーやスノボなどの、ウインタースポーツ選手が使っているのを見たことがある方も多いでしょう。このように、スポーツを楽しむ際によく利用されているサングラスです。

    6. 調光レンズが向いている方

    調光レンズのメリットなどから向いている方は以下のとおりです。

    • サングラスとメガネを1本にしたい方
    • 屋内と屋外の行き来が多い方
    • 自転車やバイクを利用される方
    • ゴルフ・釣り・アウトドアが趣味の方

    メガネとサングラスが1本にまとめられるのは荷物が少なくて済みますし、いちいちかけ替えなくても良いため便利です。また、自動でメガネとサングラスの機能が切り替わるのは、目を保護するのにも役立つでしょう。

    7. 普段使いとしても調光レンズはおすすめ

    サングラスの中でも、メガネと度付きサングラスの両方の使い方ができるのは調光レンズだけです。2つの機能を1本にまとめることで、使い勝手の良いメガネになります。

    例えば、旅行やレジャーの際に荷物が減るのもうれしいポイントですし、つけたり外したりする必要がないのも魅力でしょう。上記で調光レンズに向いている方を紹介しましたが、目を保護するために普段使いするのもおすすめです。

    調光レンズには様々なカラーがありますので、おしゃれを楽しみながら選んでみてはいかがでしょうか。

    我妻 三朗 監修

    眼鏡作製技能士は、日本初の「メガネお仕立て」の国家検定資格です。世界の40か国以上の国々では、眼鏡のお仕立てに資格制度が導入されています。ところが日本では、資格が無くても誰でもメガネのお仕立てができる状況でした。ついに日本でも「生活者の眼の健康のため」に、難関試験に合格したメガネお仕立てのプロフェッショナルが誕生しました。

    店頭に並んだメガネは完成品ではありません。ご自分の目やお顔に最適に調整されて、初めて完成します。眼鏡作製技能士は、世界に一つのあなただけのメガネをお仕立てします。眼鏡作製技能士について詳しく見る。