UVカットメガネとは|紫外線の脅威から目を守る最強メガネの選び方
更新 2024/04/17
投稿 2023/11/16
我妻 三朗 監修
更新 2024/04/17
投稿 2023/11/16
目 次
- 「UVカットメガネって何?サングラスと何が違うの?」
- 「UVカットメガネって本当に効果があるの?」
屋外や太陽の光の入りやすい屋内で過ごすことが多いと、目に入る紫外線が気になることも多いですよね。
とくにお仕事で外に出る機会が多い方や、日常のお買い物など、長時間外にいることがあると、なおさら気になってしまいます。
目に入る紫外線が気になる場合は、UVカットメガネを利用することがおすすめです。UVカットメガネを活用すると、紫外線を効果的にカットすることができます。
ただ、UVカットメガネを選ぶときは、正しい知識に基づいて適切に選ぶ必要があります。
現在、多くのメーカーがUVカットメガネを出していますが、正しい知識なしに誤ったUVカットメガネを選択すると、目や肌を十分に守れず悪い結果を招くこともあります。
紫外線を浴びすぎると、皮膚にシミやシワ、皮膚がんを発生させるように、目にも角膜炎や白内障といった悪い影響をおよぼしてしまいます。
出典:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
こうした症状にならないように、適切なUVカットメガネで目をしっかりと守ることが大切です。
そこでこの記事では、UVカットメガネのわかりやすい効果と共に、正しい選び方を紹介します。最後まで読むと、あなたの目を守る適切なUVカットメガネを選べるようになります。
- UVカットメガネの特徴や効果
- UVカットメガネの2つのUVカット機能
- 紫外線により起こりうる目への影響とリスク
- UVカットメガネの正しい選び方
▼この記事で分かること
UVカットメガネによって日差しを効果的に防ぐ方法を知って、万全の紫外線対策を取りましょう。それでは、順番に説明します。
1. UVカットメガネとは紫外線カット効果のあるメガネのこと
冒頭でも触れましたが、UVカットメガネとは、レンズに紫外線をカットする効果を加えたメガネのことです。
この章では、UVカットメガネの特徴やサングラスとの違いについて、紹介します。
- 「UVカットメガネと普通のメガネの違いは?」
- 「UVカットメガネと普通のメガネの違いは?」
- 「サングラスとはどう違うの?」
といった疑問もあると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
1-1. UVカットメガネの特徴
UVカットメガネは、レンズで紫外線をカットし、目を紫外線から守ることができるメガネです。
下記の2つのどちらかのタイプでレンズ加工をし、目に紫外線が届かないようにします。
- レンズ表面に紫外線吸収剤のコーティングをしたタイプ
- レンズの素材に紫外線吸収剤を混ぜこむタイプ
【UVカットメガネの2つのタイプ】
普通のメガネとは異なり、この2つの加工方法により、レンズが紫外線を反射したり紫外線を吸収したりして、紫外線をカットします。
度付きのUVカットメガネは、ほとんどがレンズの素材に紫外線吸収剤を混ぜこんだタイプです。
既製の度なしのサングラスやファッション用メガネなど、一部のUVカットメガネでは、レンズ表面に紫外線吸収剤をコーティングしたタイプもあります。表面をコーティングしたものは傷がついたり摩耗してコーティングがはがれると効果が落ちることもあるため、丁寧に扱いましょう。
どれくらい紫外線をカットできるかというUVカットの度合いは、メガネによって異なります。
UVカットの指標については「2. UVカットメガネの2つのUVカット機能」で紹介します。
1-2. UVカットメガネとサングラスの違い
UVカットメガネには透明なレンズのものが多く、「サングラスとどちらが効果が高いの?」と疑問を抱く人も少なくありません。
UVカットメガネとサングラスのどちらのUVカット効果が高いかは、一概にはいえません。レンズの色とUVカット効果は関係がないからです。
眩しさ=紫外線と感じる方も多いかもしれません。しかし紫外線は目に見えないもののため、眩しさを防ぐこと=紫外線カットにつながる訳ではないのです。
どちらがUVカット効果が高いかは、UVカット率あるいは紫外線透過率を見る必要があります。
UVカット効果 | 眩しさ | |
---|---|---|
UVカットメガネ | レンズにUVカット加工をしているためUVカット効果がある | 透明度の高いメガネもあるため眩しさは防げない |
サングラス | UVカット効果が高いとは限らない | 眩しさを防ぐことができる |
UVカットメガネの場合は、UV加工を施しているため、効果が高いものが大半です。
サングラスの場合も、商品名に「サングラス」とあるものは、JIS規格によってUVカット率を表示する義務があり、UVカット効果を確認することができます。サングラスによってUVカット率の高さは異なるため、利用するときには必ずUVカット率を確認するようにしましょう。
しかし、「サングラス」と表記がない、サングラス風のファッション用グラスは注意が必要です。「サングラス」と表示するための一定の基準を満たしておらず、UVカット効果がほとんどない恐れもあります。
UVカット効果がない色付きメガネはかえって目に悪いため、必ずUVカット率が高いことを確認したうえで、利用するようにしましょう。
- UVカット効果のない、サングラス風のファッション用グラスの使用はかえって目に悪影響があるため、使用を避けることがおすすめです。
- レンズの色とUVカット効果には関連性はありません。それどころか、レンズに色がある場合は、暗い中で目が光を多く集めようとするため、透明のレンズを使用する時より瞳孔が開きます。
- UVカット効果の低いファッション用グラスを使用してしまうと、それだけ目に紫外線を吸収してしまうこととなります。
- レンズの色の濃い方がUVカット効果は高いと思って紫外線対策をしているつもりが、かえって目に負担をかけてしまいます。
- UVカット効果のないファッション用グラスは、目に痛みを感じたり、角膜炎などを引き起こしたりと大きなリスクがあるため、注意しましょう。
UVカット効果のないサングラス風のファッション用グラスはかえって目に悪い!
2.UVカットメガネの2つのUVカット機能
一口に紫外線をカットするといっても、「どれくらいカットできるか」「どの種類の紫外線をカットできるか」といった点は、メガネによってさまざまです。
UVカットメガネの機能は、下記の指標で判断することができます。
指標 | 判断する機能 |
---|---|
UVカット率・ 紫外線透過率 |
「紫外線をどの程度カットするか」というカットの度合い |
「UV380」「UV400」などの UVカットの範囲 |
「どの波長の紫外線をカットするか」というカットする波長の範囲 |
上記を正しく理解して、効果の高いUVカットメガネを選ぶようにしましょう。
「UVカットメガネ」とメーカーがうたっていても効果の低いものもあります。効果の低いものを使っていては、紫外線を防ぐことができません。
2-1. UVカット率・紫外線透過率
UVカットメガネのUVカットの度合いを示す指標として、
- UVカット率(紫外線カット率)
- 紫外線透過率
といったものがあります。
UVカット率と紫外線透過率は「UVカット率99%=紫外線透過率1%」と表せるなど、表裏の関係です。メーカーでは通常どちらかの数値のみが表示されます。
名称 | 内容 |
---|---|
UVカット率 | レンズがどれくらい紫外線を防ぐかを数値で表したもの。 数値が高い(100%に近い)方がUVカット効果は高い。 |
紫外線透過率 | レンズがどれくらい紫外線を通すかを数値で表したもの。 数値が低い(0%に近い)方がUVカット効果は高い。 |
UVカット率はできる限り100%、紫外線透過率は0%に近いものが、紫外線カット効果が高く、望ましいといえます。
2-2. UVカットする紫外線の範囲
UVカットメガネのUVカット効果を示す指標には「UV380」「UV400」などの数値が書かれたものもあります。
「UV380」「UV400」とは、カットする紫外線の波長の範囲を示すものです。
気象庁、環境省の定義では紫外線とは、波長が400ナノメートル以下の光とされています。
波長によって、
- UV-C
- UV-B
- UV-A
の3つの種類があります。
【紫外線の波長と紫外線の種類】
出典:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
UV-C・UV-B・UV-Aの3種類の紫外線には、下記のような特徴があります。
紫外線の 波長別の 種類 |
地上に届く 距離 |
人間への影響 |
---|---|---|
UV-C | 100~280nm (ナノメートル) |
オゾン層でシャットされ、ほとんど地上に届かないため無害と見なされる |
UV-B | 280~315nm (ナノメートル) |
最も有害と見なされる紫外線 【皮膚や目へのリスク】 ・日焼け(サンバーン、サンタン) ・シミ ・そばかす ・皮膚がん ・光老化 ・紫外線角膜炎 ・白内障 ・翼状片など |
UV-A | 315~400nm (ナノメートル) |
長期間浴びると健康に悪影響があるとされる紫外線 【皮膚や目へのリスク】 ・シミ ・シワ ・翼状片など |
このうち、UV-Cは地上には到達しないため、気にする必要はありません。
UV-Bは、地上に到達し、肌が赤くなる日焼けを引き起こしたり、シミやそばかす、皮膚がんの原因になったりします。有害な紫外線のため、防ぐ必要があります。
UV-Aは、UV-Bほど有害ではないものの、長時間浴びると健康に影響するといわれています。UV-Aは地上に降り注ぐ紫外線の多くを占めており波長も長く、目の水晶体より奥の「網膜」まで届くこともあります。
これらの波長のナノメートルの数値に「UV×××」の☓☓☓の数値がリンクしています。例えば「UV400」は400ナノメートル以下の波長の紫外線のカット効果があることを示します。
「UV400」で400以下の波長を防ぐ効果がある場合は、一番波長の長いUV-A(315nm~400nm)を防ぐことができるうえ、UV-B(280nm~315nm)を防ぐこともできます。
一方、「UV380」では、UV-B(280nm~315nm)を防ぐことができても、UV-A(315nm~400nm)をすべては防ぎきることができません。
UV-A(315nm~400nm)とUV-B(280nm~315nm)の両方を防ぐためには、「UV400」以上のものが望ましいといえます。
3. 目の紫外線対策は必須!紫外線が及ぼす目への影響と起こりうるリスク
適切なUVカットメガネを選ばないと、しっかりと紫外線を防ぐことができません。しっかりとした紫外線対策ができない場合には、下記のような目の病気に関わることがあります。
種類 | 症状の内容 |
---|---|
急性の症状 | ・紫外線角膜炎(雪目) |
慢性の症状 |
・目の疲れ(いわゆる眼精疲労) ・白内障 ・翼状片(よくじょうへん) ・日焼け・シミ・そばかす |
参考:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」、大阪市立大学名誉教授 井上正康「Ultraviolet B irradiation of the eye activates a nitric oxide-dependent hypothalamopituitary proopiomelanocortin pathway and modulates functions of alpha-melanocyte-stimulating hormone-responsive cells」
3-1. 急性の症状「紫外線角膜炎」
目が紫外線を浴びすぎて起きる「急性」の症状としては紫外線角膜炎(雪目)が考えられます。紫外線角膜炎とは、強い紫外線を浴びすぎたことにより、急激に起こる角膜の炎症です。症状としては、
- 目の充血
- 強い目の痛み
- 涙目
- 目がゴロゴロする
といったものがあります。
雪山登山やスキー・スノーボードで雪面反射の光を多く浴びた時に起きる「雪目」の症状として知られています。昼間に、紫外線にばく露した場合、即日その夜あるいは翌朝にかけて発症し、多くの場合は1日~2日で自然治癒します。
3-2. 慢性の症状4つ
「慢性的な症状」とは、症状がゆっくりと進行していく症状のことです。紫外線による目への慢性的な症状としては次の4つがあります。
- 目の疲れ
- 白内障
- 翼状片
- 日焼け・シミ・そばかす
詳しく説明します。
3-2-1. 目の疲れ(いわゆる眼精疲労)
紫外線の影響で目が疲れることがあります。
目の疲れとは、目の痛みや目のかすみ、充血などの目の症状だけでなく、頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状も出現することです。休息や睡眠をとっても、回復しない状態をいいます。
目の疲れが長く続くと、倦怠感や軽いうつ病といった心の症状につながるケースもあります。自然治癒が難しいため、まずは眼科で検査と問診を受け、原因を突き止め、解消することが大切です。
3-2-2 . 白内障
白内障とは、目の中のレンズの役割をする水晶体が白く濁る病気です。
水晶体の濁り方は個人によって異なり、水晶体が濁ると、「まぶしい」「目がかすむ」「視界がくすむ」といった症状が起こります。
白内障では水晶体が硬くなるため、老眼が進行したり、視力が低下したりします。治療をされずに症状が進行すると、失明に至ることもあります。
紫外線のうち、UV-Bが白内障の危険因子とされています。また、治療には手術が一般的です。
3-2-3. 翼状片(よくじょうへん)
翼状片(よくじょうへん)とは、角膜である黒目部分に白目の部分が翼状に入りこんでくる病気です。
進行すると角膜が歪み、乱視につながります。瞳孔近くまで白目部分が進行してくると、視力障害を起こす可能性もあります。
厳密な原因は不明ですが、農業や漁業など長時間戸外で活動する人に多く見られる症状のため、紫外線の影響という見方が有力であり、男性に多く、好発年齢は30歳代からといわれています。
手術で治療ができますが、2~7%の再発率があるといわれています。
3-2-4. 日焼け・シミ・そばかす
目から紫外線が入ることで、肌が日焼けしたり、シミやそばかすができるともいわれています。
これは、目に紫外線が当たると目の細胞にダメージが生じ、外部刺激から肌細胞を守るためのメラニンが多く生成されてしまうためです。体全体のメラニン色素が増加してしまうため、肌の日焼けや、シミ、そばかすといった症状が現れてしまいます。
これらの症状を避けるためにも、UVカット効果の高い適切なUVカットメガネを選ぶことがとても大切です。
4. 目の紫外線を対策するためのUVカットメガネの正しい選び方
現在、多くのメーカーからUVカットメガネが販売されているため、どのUVカットメガネを買えばいいのか迷うことも多いですよね。
また、せっかく使うのであれば、UVカット効果の高いものを使わなければ意味がないことは、ここまでに解説した通りです。
そこで、この章では目の紫外線対策に効果的なUVカットメガネの選び方を紹介します。
UVカットメガネを正しく選ぶためのポイントは次の5つです。
- 「UVカット率100%」「紫外線透過率0%」に近いものを選ぶ
- UVカットの範囲が「UV400」以上のものを選ぶ
- メガネ裏面にも紫外線反射を防ぐ加工をしたものを選ぶ
- 表面コーティングでなく素材練り込みタイプのメガネを選ぶ
- メガネのフレームの大きさが顔のかたちにフィットしたものを選ぶ
UVカットメガネの正しい選び方5つ
紫外線対策に失敗しないためにも、これらのポイントをしっかりと押さえて選ぶようにしましょう。
4-1. 「UVカット率100%」「紫外線透過率0%」に近いものを選ぶ
UVカットメガネを選ぶときには、「UVカット率100%」「紫外線透過率0%」に近いものを選ぶようにしましょう。
せっかくUVカットメガネを使っても、UVカット率が低い(=紫外線透過率が高い)と、十分に紫外線をカットすることができません。
UVカット率が100%に近い(紫外線透過率が0%に近い)ほど、紫外線カット効果が高いため、そのようなUVカットメガネを使用するようにしましょう。
最近は、UVカット率99.9%といったメガネも多く、中にはUVカット率100%のメガネもあります。紫外線対策を最も効果的にするためにも、UVカット率はできる限り100%に近いもの(紫外線透過率の場合は0%)を選ぶことがおすすめです。
4-2. UVカットの範囲が「UV400」以上のものを選ぶ
UVカットメガネを選ぶ場合は、「UV400」以上の数値のものを選ぶようにしましょう。
UV400以上あれば、UV-A(315nm~400nm)とUV-B(280nm~315nm)の両方の紫外線のタイプについてカットすることができます。
メガネの紫外線対策をする場合は、長時間使うことを考えると、最も有害なUV-Bだけでなく、長期的に浴びると健康に影響するUV-Aへの対策も必要です。
UV-A、UV-Bの両方に対応できるものを選ぶようにしましょう。
UV-A、UV-Bを両方カットできると記載のあるものを選ぶことが大切!
UVカットメガネによっては「UV400」といった品質表示でなく、「UV-A、UV-Bに対応」と分かりやすく表記をしている場合もあります。
「UV400」も意味としては、「UV-A、UV-Bに対応」を意味します。どちらの表記方法にしても、UV-AとUV-Bの両方に、きちんと対応しているものを選ぶことが大切です。
4-3. メガネ裏面にも紫外線反射を防ぐ「裏面加工」をしたものを選ぶ
UVカットのためには、メガネの裏面にも紫外線反射を防ぐための加工をすることが大切です。
紫外線の多くはレンズの前面で防ぐことができますが、一部の紫外線はレンズと顔の隙間から入り、レンズの裏面に反射して目に入ることがあります。
これらの反射を防ぐためにも、レンズの裏面に紫外線反射防止コートをすることが重要です。
多くのメーカーで、裏面のUVカット加工をオプションとして追加することができます。紫外線の反射光から目を守るためにも、レンズの裏面の紫外線反射防止加工をするようにしましょう。
4-4. 表面コーティングでなく素材練り込みタイプのメガネを選ぶ
UVカットメガネを選ぶ場合には、表面コーティングのUVカットメガネでなく、素材練り込みタイプのUVカットメガネを選ぶようにしましょう。
「1-1. UVカットメガネの特徴」でもお伝えしたように、UVカットメガネには、
- レンズ表面に紫外線吸収剤のコーティングをしたタイプ
- レンズの素材に紫外線吸収剤を混ぜこむタイプ
の2つのタイプがあります。
コーティングでUVカットをしている場合、使用しているうちに劣化したり、傷がついたりすることがあります。劣化や傷によってコーティングがはがれると、UVカット効果は落ちてしまいます。
一方の紫外線吸収剤を練り込んだタイプはUVカット効果が半永久的です。UVカット効果を持続させるためにも素材練り込みタイプのUVカットメガネを選ぶことがおすすめです。
4-5. メガネのフレームの大きさが顔のかたちにフィットしたものを選ぶ
UVカットメガネを選ぶときは、フレームが、あなたの顔のかたちにフィットしたものを選びましょう。
顔のかたちや大きさに対して小さいフレームを選んでしまうと、UVカットできる範囲が足りずに、フレームと顔の隙間から、目元へ日差しが入り込んでしまいます。
そのため、目元全体を十分にカバーできるような大きさのメガネを選ぶことが大切です。
せっかく買ったUVカットメガネで、十分な紫外線対策ができなくなってしまうため、メガネのフレームはあなたの顔のかたちに合うものを選んでくださいね。
5. 外の眩しい日差しをより効果的に防ぐポイント2つ
これまで、UVカットメガネの正しい選び方を紹介しました。
ここではさらに、UVカットメガネによって目への紫外線を防ぎつつ、日差しの眩しさをより防ぐための、2つのポイントをご紹介しましょう。
- 帽子や日傘と併用する
- 調光レンズを使う
適切なUVカットメガネを選んだうえに、これらの対策を取ることで、より効果的に紫外線の影響を防ぐことができます。詳しく見ていきましょう。
5-1. UVカットの効果を上げるために帽子や日傘と併用しよう
UVカットメガネと一緒に、帽子や日傘を併用することで、UVカット効果をあげることができます。
ですが、UVカットメガネのみの使用だと、メガネと顔との間に隙間がある限り、完全に紫外線を防ぐことは難しいといえます。
環境省によると「紫外線防止効果のあるサングラスやメガネを適切に使用すると、目の紫外線ばく露を最大で90%カットすることができる」とされています。
【目への紫外線ばく露を減らす工夫】
出典:環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
完全にUVカットを行うためには、サングラスやUVカットメガネだけでは、残りの10%の紫外線をカバーすることができません。
90%以上にUVカット効果をあげるためには、UVカットメガネだけでなく、帽子や日傘も併用するようにしましょう。
▼帽子や日傘の例
5-2. 眩しさを抑えたい場合は調光レンズを選ぶ
日中の日差しの眩しさを抑えたい場合には、調光レンズを選ぶこともおすすめです。
調光レンズとは、紫外線の量でレンズの色が変化するレンズです。
調光レンズを使うと、日差しが強く紫外線量の多い時にはメガネの色が暗く変わり、眩しさを抑えることができます。反対に屋内や夜など紫外線量の少ない時には透明になります。
調光レンズのメガネは、かけたり外したりしなくても、眩しさの調整をすることができます。
調光レンズの場合は、紫外線カット効果の高いものが多く、UVカットについても安心して利用できます。購入するときは、必ずUVカット効果があるかどうか、確認しましょう。
調光レンズについてもっと知りたい方は、下記の記事もご参考ください。
「調光レンズはメガネとサングラスの2役!メリット・デメリットを解説」
6. UVカットメガネは使用によりレンズのUVカット効果が薄れることはない
UVカットメガネについては、「3~5年で効果が劣化するため買い換えた方がいい」といわれるケースが少なくありません。
しかし、UVカットメガネは使用により、レンズのUVカット効果が薄れることはありません。
「4-4. 表面コーティングでなく素材練り込みタイプのメガネを選ぶ」でも触れましたが、
基本的に、レンズの素材に紫外線吸収剤を混ぜ込んでいるUVカットメガネの場合、半永久的にUVカット効果が持続します。
度付きのUVカットメガネやメガネ店で購入する多くのUVカットメガネは、この素材練り込みタイプのため、効果が薄れる心配はありません。
ただし、一部、レンズ表面に紫外線吸収剤のコーティングをしているようなUVカットメガネで、コーティングがはがれるほどに劣化した場合、UVカット効果が下がることもあります。
UVカット効果を持続させるためにも、素材練り込みタイプのUVカットメガネを選ぶことがおすすめです。
7. UVカットメガネは仕立てのプロフェッショナル「眼鏡作製技能士」に相談しよう!
UVカットメガネにしたい場合などメガネについて気になることがある場合は、メガネのプロフェッショナルに相談することがおすすめです。
紫外線のせいで、「目が疲れやすい」「見えにくい」と思っている場合でも、そもそもメガネの度が合っていないこともあります。
中でも、メガネのプロフェッショナルの「眼鏡作製技能士」に相談することで、自分でも気がつかなかったような悩みに気づくことが、数多くあります。
「眼鏡作製技能士」とは、2022年11月に新しくできた「国家検定資格」のひとつです。目の病気やお客様の対応方法に関する学科試験と、
- 視力の測定
- レンズ加工
- フィッティング
上記3つからなる実技試験を突破した、メガネのプロフェッショナルです。
2022年11月の試験では、一般受検者1,699名中、1級の合格率はわずか約4%、2級の合格率は約30%と、厳しい基準を突破したものだけがなることができます。
そのような「メガネのスペシャリスト」だからこそ解決できたお悩みの例を、下記で紹介します。
- メガネ屋さんで作ったメガネなのに自分に合っていなかった
- 普段の自分では選ばないけれど自分に似合うメガネが見つかった
- 見えにくさがメガネのせいでなく眼病のせいであることが分かった
- 長時間のパソコン作業で「目が疲れても仕方がない」と諦めていたが疲れにくいメガネが作れた
▼「眼鏡作製技能士」に相談することで解決できるお悩み例
7-1. メガネ屋さんで作ったメガネなのに自分に合っていなかった
「眼鏡作製技能士」に相談すると、メガネ屋さんで作ったメガネにもかかわらず、実は自分に合っていなかったということに気付くケースがよくあります。
メガネ屋さんで作ったメガネでも、度を合わせる技能には幅があり、低い精度で作ってしまっていることも少なくありません。
低い精度で作ったメガネを使い続けていると、なんとなく見えにくくなったり、目の疲労が蓄積して肩こりを併発してしまったりと、さまざまなトラブルが起きてしまいます。
「視力の測定」の厳しい試験を突破した眼鏡作製技能士に相談することで、プロの技能を駆使して、あなたの目の焦点を正確に測定し、あなただけにフィットしたメガネを作ることができます。
7-2. 普段の自分では選ばないけれど似合うメガネが見つかった
普段の自分では決して選ぶことのなかった、自分に似合うメガネが見つかることもあります。
眼鏡作製技能士は、お客様の希望やメガネを使用するシーンなどについて丁寧にヒアリングをしたうえで、TPO別(仕事用・読書用など)の使用目的やライフスタイルを考慮したレンズを提案します。
また、ファッション性を含めたフレームアドバイスも可能です。
ファッションでも使用シーンでも、あなたも想像しないような、あなただけにぴったり合うメガネを発見し、驚き喜ばれる方も少なくありません。
7-3. 見えにくさがメガネのせいでなく眼病のせいであることが分かった
メガネの問題だと思っていた「見えにくさ」が、実は目の病気だったと発覚することもあります。
眼鏡作製技能士は、学科試験で学んだ、お客様のご相談や病状から、「特定の目の病気ではないか?」と判断する能力を身につけています。そのため、目の仕組みや代表的な病気・症状に対する知識を、網羅しています。
お客様の目の状態や不安について丁寧にヒアリングをして分析するため、あるケースではお客様の見えにくさが「眼病のせいではないか」と気付くことができました。
眼科受診をおすすめした結果、眼病であることが分かり、お客様の大事な目の早期治療につなげることができることもあります。
7-4. 長時間のパソコン作業で「目が疲れても仕方がない」と諦めていたが疲れにくいメガネが作れた
長時間のパソコン作業で「目が疲れても仕方がない」と諦めていたところ、「眼鏡作製技能士」に相談することで、疲れにくいメガネが作れたという声もあります。
メガネは見る距離に応じてレンズの度数が変わります。日常生活で普通にものを見る際の距離と、パソコンを使う際の距離とは違うため、レンズの度数も変える必要があります。
眼鏡作製技能士は、実技試験で正確なフィッティングとレンズ加工の実技を突破しています。
実際のメガネ作製でも、お客様のお顔からパソコンのモニターまでの距離を測り、よく見えて疲れない度数のメガネを作製します。お客様からは、長時間パソコン作業をしても疲れにくくなったと喜んでいただきました。
このように「眼鏡作製技能士」に依頼すると、今までのメガネの「かけごこち」や「見えごこち」が大きく変化します。
同じフレームでも、お仕立て(測定の精度・レンズ加工 ・フレームのフィッティングなど)の能力の差によって、かけごこちや見えごこちは大きく変わります。この技能は奥深く見きわめることが難しいため、「眼鏡作製技能士」という国家検定資格により質が担保されています。
あなたがこれから長い年月で使用する、大切なUVカットメガネのことは、メガネの仕立てのプロである眼鏡作製技能士のいるメガネ店に相談されることをおすすめします。
眼鏡作製技能士のいるメガネ店をお探しの際には、こちらを参照してください。
8. まとめ
これまで、UVカットメガネについて解説しました。最後に、簡単にこの記事をまとめます。
- 紫外線をカットする機能があるメガネのこと
◎UVカットメガネとは
- UVカット率(紫外線カット率)
- UVカットできる波長の範囲
◎UVカットメガネの2つの機能は下記の2つです。
◎目の紫外線対策が不十分な場合に起こり得るリスクは下記の5つです。
急性の症状 | ・紫外線角膜炎(雪目) |
---|---|
慢性の症状 |
・目の疲れ(いわゆる眼精疲労) ・白内障 ・翼状片(よくじょうへん) ・日焼け ・シミ・そばかす |
◎UVカットメガネの選び方は5つです。
- 「UVカット率100%」「紫外線透過率0%」に近いものを選ぶ
- UVカットの範囲が「UV400」以上のものを選ぶ
- メガネ裏面にも紫外線反射を防ぐ加工をしたものを選ぶ
- 表面コーティングでなく素材練り込みタイプのメガネを選ぶ
- メガネのフレームの大きさが顔のかたちにフィットしたものを選ぶ
UVカットメガネの正しい選び方5つ
◎UVカットメガネは仕立てのプロフェッショナル「眼鏡作製技能士」に相談すべき
以上になります。
この記事が、UVカットメガネで、あなたの目やお肌の健康を守るために、お役に立てることを願っています。
我妻 三朗 監修
店頭に並んだメガネは完成品ではありません。ご自分の目やお顔に最適に調整されて、初めて完成します。眼鏡作製技能士は、世界に一つのあなただけのメガネをお仕立てします。眼鏡作製技能士について詳しく見る。
以下の記事も読まれています