【プロ直伝】初めての老眼鏡の選び方|ポイント5つとおしゃれのコツ

更新 2025/06/20

投稿 2025/02/16

我妻 三朗 監修

更新 2025/06/20

投稿 2025/02/16

目 次

    「老眼鏡の選び方ってどうすればいいの?」

    そろそろ老眼鏡を作りたいけれど、いざ作るとなると、どんな選択基準で作ればいいのかとお考えではないですか?

    老眼鏡を作る際の選択基準は、以下の5つです。

    • 度数
    • 目の状態
    • ライフスタイル
    • かけ心地
    • レンズ

    老眼は、人によって老化の進み具合で判断できる「度数」があります。

    老眼鏡を作る際には、度数以外にも遠視や近視、乱視といった「目の状態」、どんな使い方をするかという「ライフスタイル」、さらに「かけ心地」を考える必要があります。

    これらを総合して初めて、自分に合った老眼鏡を作ることができます。そう考えると、老眼鏡選びは慎重に行う必要があります。

    ただし、機能だけでなく、一見して老眼鏡とは分からないようなおしゃれな老眼鏡にもしたいですよね。

    そこで、本記事では以下の内容について紹介していきます。

      ▼この記事のポイント

    • 老眼鏡の選び方5つを解説
    • 使用シーン別のあなたにおすすめの老眼鏡を紹介
    • おしゃれな老眼鏡にするためのフレームや色選びのコツを解説

    最後まで読めば、老眼鏡を選ぶ際に意識すべき項目を知ることができ、後悔しない老眼鏡を作ることができますよ。

    早速、”老眼鏡の選び方”を読み進めていきましょう。

    1. 老眼鏡の選び方は5つのポイントが重要!

    老眼鏡は、最終的に「自分の目に合っている」ものにしなければなりません。

    そのためには、以下の5つのポイントを総合して考えて選びます。

    • 度数
    • 目の状態
    • ライフスタイル
    • かけ心地
    • レンズ

    ひとつずつ解説していきますね。

    1-1. 【度数】

    まずは「度数」です。

    老眼の進行は60歳を過ぎるまでは安定しないので、その時々の度数によって老眼鏡を選ぶ必要があります。

    度数は「水晶体」の状態によって決まります。

    目は、水晶体というレンズを通してものを見ますが、水晶体は水とタンパク質から出来ていて、厚みを変えることでピントを合わせています。

    しかし、老化が進むと水晶体の柔軟性が下がって固くなり、ピントが合わせにくくなってきます。これがいわゆる「老眼」で、ほとんどの人が40代頃から始まり、大体60歳くらいまで進み続けるのです。

    一般的には、ピントが合うポイント(近点)が30cm以上離れていると、老眼鏡が必要といわれています。

    上の図のように、人差し指を30cm地点から少しずつ離していった際に、人差し指の指紋がはっきりと見える地点があなたの近点です。

    老眼の度数は補正に必要なレンズの強さで「+1.0」からあり、5cm距離が長くなるごとに0.5ずつ増えていきます。

    以下の表を、30cm程度離して見てみましょう。左側の文字がはっきりと見えるところが、あなたの大体の度数です。

    上記はあくまで目安です。正確な度数は眼科やメガネ店で測定してもらい、自分に合った度数で老眼鏡を作ります。

    1-2. 【目の状態】

    次は「目の状態」です。

    近くから遠くまで問題なくよく見える状態を「正視」といいます。ですが、水晶体の屈折異常でピントが合わない場合は、

    • 近視
    • 遠視
    • 乱視

    といわれる状態です。

    目の屈折異常を説明すると、具体的には下記のような見え方になっています。

    屈折異常 目の状態
    近視 近くは見えるが遠くは見えにくい
    遠視 遠くは見えるが近くは見えにくい
    乱視 焦点が合わせにくい

    今まで裸眼で過ごしていた人(正視)は、純粋な老眼のみの測定で問題ありません。

    しかし、元々上記のような目の屈折異常がある場合は、それぞれの目の状態を考慮して、老眼鏡を作ります。

    左右の目で状態が異なる場合や、以前測定したときよりも、目の屈折異常が進んでいる可能性もあります。しっかりと測定し、その時の目の状態に合う適切な老眼鏡を作りましょう。

    1-3. 【ライフスタイル】

    「ライフスタイル」も重要です。

    ライフスタイルに合わせて、老眼鏡をどのような用途で使うかも、考慮する必要があります。

    下記の表は、主な日常のライフスタイルと老眼鏡の使用用途をまとめたものです。ご覧ください。

    よく見る距離 日常のライフスタイル 老眼鏡の使用用途
    近距離のみ(手元から約30〜50cm程度) デスクワーク中心の人 パソコンを長時間見る
    ハンドメイド作家や職人の人
    新聞や本を読むことが多い人
    手元の細かいものを長時間見る
    近距離と遠距離の両方 接客業の人
    屋外作業をする人
    遠くのお客様を見た後に手元のレジを打つなど、1日のうちで近くと遠くを何度も見る
    頻繁に車の運転をする人 運転中に外の様子と車内を見る

    例えば、デスクワーク中心でパソコンを長時間見る人やハンドメイド作家の人は、長い時間、手元から約30〜50cm程度の近距離で作業を行うことが多いです。新聞や本を読む場合もここに当てはまります。

    一方、接客業の人なら、遠くのお客様を見た後に、手元のレジを打つなど、1日のうちで近くと遠くを何度も見るでしょう。屋外作業をする人も、手元の資料を見つつ現場全体を見渡す場面も多いでしょうし、頻繁に車の運転をする人は外の様子と車内を見る必要があります。

    長時間手元の作業をする場合の老眼鏡と、中長距離の範囲を広く見るための老眼鏡では、それぞれレンズの種類が異なります。

    そのため、あなたのライフスタイルに応じた老眼鏡を選ぶことも、とても大切です。

    老眼鏡のレンズの種類については、「1-5. 【レンズ】」で詳しく解説しますので、ぜひご参考にしてくださいね。

    1-4. 【かけ心地】

    老眼鏡を作る際には、「かけ心地」も忘れてはなりません。

    いくら度数や目の状態、ライフスタイルに合っていても、肝心のかけ心地が悪いと肩こりや頭痛を起こしてしまうからです。

    特に、フレームの形状や素材は、かけ心地を大きく左右するので重要です。例えば、気に入ったデザインでも顔の形にきちんとフィットしていなければ、次第にフレームがズレてピントが合わなくなり、眼の疲れ(いわゆる眼精疲労)が起きて肩こりや頭痛になることがあります。

    かけ心地はフレームの形状や素材(しなやかさ・重さ)によって左右されます。詳しくは「3-1. フレームにこだわる」でお伝えします。

    1-5. 【レンズ】

    自分に合う老眼鏡を選ぶには、メガネのレンズの選び方についても知っておく必要があります。

    なぜなら、レンズが持つ補正機能によって、視界がくっきり見える範囲が大きく変わるからです。

    老眼鏡に限らず、メガネのレンズは主に、下記の表に記載した種類に分けられます。

    レンズの補正機能 特徴
    単焦点レンズ 手元から30〜40cm程度の近い距離が見える
    累進多焦点レンズ 近々用レンズ:手元から1m範囲程度の近い距離が見える
    中近両用レンズ:手元から室内が見渡せる程度の中距離までが見える
    遠近両用レンズ:手元から5m以上までと、近くも遠くも見得る

    累進多焦点レンズは、上の表のようにさらに3つに分けられます。単焦点レンズと累進多焦点レンズの違いは、以下の通りです。

    それぞれのレンズの違いも合わせて、ひとつずつ説明していきます。

    1-5-1.単焦点レンズ

    単焦点レンズとは、レンズの度数が均一になっているレンズです。

    基本的に手元から30〜40cmくらいの、近い距離をくっきり見るために使用されます。

    単焦点レンズは主に、純粋な近視、遠視、乱視などの一般的な屈折補正(屈折矯正)に用いられます。視野が広い反面、くっきり見える焦点を合わせられるのは1点のみです。

    そのため、遠くの距離は、ぼやけてよく見えないといったデメリットがあります。

    一般的に100円ショップなどで販売されている老眼鏡の多くも、単焦点レンズが主流です。

    1-5-2. 累進多焦点レンズ

    累進多焦点レンズは、手元から遠くまでの距離がはっきりと見えるように設計されたレンズです。

    1枚のレンズの中で異なる度数が連続的に配されていて、遠くから近くがなめらかに見えるように設定されています。

    単焦点レンズの場合は、設計された1点の焦点以外はぼやけて、はっきりと見ることができません。しかし、累進多焦点レンズは、複数の焦点を設計することで、近い距離も遠くの距離もはっきりと見ることができます。

    老眼鏡のレンズは、昔は単焦点レンズが主流だったのに比べ、現在では多種多様なライフスタイルに適した累進多焦点レンズが増えています。

    累進多焦点レンズには、以下の3つの種類があります。

    【累進多焦点レンズの種類と見え方の違い】

    種類 目から30〜40cm以内 スマホ・パソコン 遠方(5m以上)
    近々用レンズ ×
    中近両用レンズ
    遠近両用レンズ

    それぞれのレンズの特徴や、視界の見える範囲を、説明します。

    ①近々用レンズ

    近々用レンズは、手元から1m範囲程度と、ごく近くを見るためのレンズです。

    例えば、デスクの上にパソコンが置いてあるとすると、パソコンの画面だけでなく、デスクの上にある文房具や資料などもくっきり見えます。

    1m先からの距離はよく見えないため、近々用レンズの老眼鏡をかけたまま歩いたりすると危険です。あくまで室内で、デスク周りなどの狭い範囲で使用する方におすすめです。

    ②中近両用レンズ

    中近両用レンズは、手元から室内が見渡せる程度の中距離までを見ることができます。

    例えば、リビングのソファでスマホを見ていて、室内に入って来た家族から呼ばれたときにふと顔を上げた時、家族の顔もはっきりと見えるといった具合です。

    単焦点レンズや近々用レンズと比べ、少し広い範囲をくっきりと見ることができます。そのため、外出先で使用することも可能です。

    ③遠近両用レンズ

    遠近両用レンズは、手元から5m以上までと、近くも遠くも見ることができます。

    レンズの上方は遠用、下方には近用となっているため、遠くを見る時は上目遣いでレンズの上側を見る、手元を見る時は顎を上げてレンズの下側を見るといった具合に、目線で調整します。

    近くも遠くもはっきり見えるので、使用に慣れるまでが少し大変ですが、日常生活を快適に過ごすことができます。

    遠近両用のレンズについてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考にしてください。

    手元も遠方もよく見える!遠近両用メガネの特徴や満足できる選び方を紹介

    このように、老眼鏡は使い方によってレンズの選び方が異なります。

    「2. 〈使用シーン別〉あなたにおすすめの老眼鏡をレンズごとに紹介!」では使用シーン別にあなたにおすすめの老眼鏡を解説します。

    【コラム:レンズの形状について】

    球面レンズは度数が上がれば上がるほど厚みが太くなり、ピントを合わせている中心から離れるほど歪んで見え、更に目が小さく見えてしまうことがあります。

    近年では、技術が進んで下記の表のような新しい形状のレンズが登場しており、このようなお悩みを解消することができます。

    レンズの形状 特徴
    非球面レンズ ・表のみ球面で裏はフラット、レンズの膨らみが少ない
    ・中心以外でもあまり歪まずに見ることができる
    両面非球面レンズ ・両面がフラット
    ・非球面レンズより歪みが少なく、度数の強い遠視や乱視でもはっきり見える

    上記のレンズは、度数が高くても、レンズの厚みを薄くできます。

    レンズの厚みが薄くなるほどクリアで快適な視界になり、フェイスラインの崩れや目が小さくなるという問題も軽減できます。

    さらに薄さと軽さを求める場合は、「薄型加工」もすることができます。

    メガネは、一度作ると、少なくとも数年単位で使用するものです。見え方や使用感が気になると、毎日の生活でストレスを感じてしまいます。

    大切なメガネの、「レンズの使用感や厚みにもこだわりたい」という方は、購入時に是非確認してみてくださいね。

    2. 〈使用シーン別〉あなたにおすすめの老眼鏡をレンズごとに紹介!

    ここまで読んだあなたは、老眼鏡を選ぶには度数や目の状態などの4つのポイントに加えて、レンズも重要だということが分かったのではないでしょうか。

    しかし、「結局自分はどんな老眼鏡がいいのかな?」と迷ってしまうかもしれませんね。そこで、ここでは使用するシーン別に、おすすめの老眼鏡をご紹介します。

    • 30〜40cmくらいの手元での作業に使いたい人は「単焦点レンズ」の老眼鏡
    • 30cm〜1mくらいでデスクワークなどをする人は「近々用レンズ」の老眼鏡
    • 手元から5mくらいで日常生活で使いたい人は「中近両用レンズ」の老眼鏡
    • 近くも遠くも見る必要がある人は「遠近両用レンズ」の老眼鏡

    ひとつずつ解説します。

    2-1. 30〜40cmくらいの手元での作業に使いたい人は「単焦点レンズ」の老眼鏡

    対象 詳細
    おすすめの人 書き物など手元30〜40cmくらいの作業だけに老眼鏡を使いたい人
    家の中でピンポイントで老眼鏡を使いたい人
    外出先で細かな文字を一時的に見たい人
    パソコンやスマホを見るときだけ、読書するときだけ使いたい人
    おすすめしない人 1日中老眼鏡をかけて過ごしたい人
    頻繁に遠くも近くも見たい人
    デスクワークでも、頻繁に歩いたり遠くを見たりする人
    運転中に使いたい人

    30〜40cmくらいの手元で作業をするために使いたい人は、「単焦点レンズ」の老眼鏡がおすすめです。

    単焦点レンズの老眼鏡は、基本的に近くのものを鮮明に見るために作られています。

    そのため、細かい文字をちょっと書く場合や商品の成分表などの細かい文字を見たいときなど、ピンポイントで30〜40cm程度の近くを一時的に見るのに適しています。

    ただし、ピンポイントのみで使うことを目的に作られているため、例えばパソコンやスマホ画面からふと視線を上げると、視界がぼやけて見えてしまいます。単焦点レンズの老眼鏡をかけたまま、家の中を歩くのも危険です。

    手元がよく見える単焦点レンズの老眼鏡を使う際には、ピンポイントを見る時以外はメガネを外して、生活しましょう。

    【細かな手元作業を長時間行うならルーペの併用もおすすめ!】

    模型作りや彫金、編み物などの30〜40cmの距離で細かな作業を長時間行うと、ずっと近くを凝視することになり、目が疲れてしまいますね。

    その場合は、よりものが大きく見えるルーペ(拡大鏡)の併用がおすすめです。

    ルーペは置き型やメガネタイプなどがあります。もしも、新聞などの小さい文字を見たい場合は、老眼鏡でしっかりとピントを合わせ、さらにルーペを併用することで大きく見るといった使い方が可能です。

    2-2. 30cm〜1mくらいでデスクワークなどをする人は「近々用レンズ」の老眼鏡

    対象 詳細
    おすすめの人 基本的に座ったままで、デスク周りのみで仕事をする人
    webデザイナーやオペレーションの人
    おすすめしない人 1日中老眼鏡をかけて過ごしたい人
    デスクワークでも、頻繁に歩いたり遠くを見たりする人
    遠くだけをはっきり見たい人
    運転中に老眼鏡をかけたい人

    主に30cm〜1mくらいでデスクワークを中心にする人は、「近々レンズ」の老眼鏡がおすすめです。

    近々用レンズは、基本的に座っているときだけ使うように設計されていて、手元30cmくらいから1mくらいまでがよく見えるレンズです。

    パソコン画面からキーボード、手元の資料、デスク脇の本棚など、デスクの上で視点を少しずつずらして行うパソコン作業などに向いています。

    ただし、遠くは見えにくいため、近々用レンズの老眼鏡をかけたまま出歩いたり運転したりするのは危険です。

    2-3. 手元から5mくらいで日常生活で使いたい人は「中近両用レンズ」の老眼鏡

    対象 詳細
    おすすめの人 1日中老眼鏡をかけて過ごしたい人
    医師や美容師など、頻繁に立ち座りをする人
    事務室などで事務作業全般をする人
    おすすめしない人 書き物など手元30〜40cmくらいの作業だけに老眼鏡を使いたい人
    外出先で細かな文字を一時的に見たい人
    パソコンやスマホを見るときだけ、読書するときだけ使いたい人
    運転中に使いたい人

    日常生活で使いたい人は、「中近両用レンズ」の老眼鏡がおすすめです。

    中近両用レンズは、手元から5mくらい先までを見やすくしたものです。家事や会議など、室内を見渡したすぐ後に手元のものを見るときなどに向いています。

    例えば、自宅でリモートワークをしていて、仕事の合間に洗濯ものを畳むなどの家事をしたい人には、中近両用レンズの老眼鏡が使いやすいでしょう。

    近々用レンズよりも見える視野が広くなる一方で、手元を見る部分が狭くなります。

    手元だけを集中的に見たい人には、あまり向いていません。また、5m程度までしかはっきりと見えないので、運転中に使いたい人も避けましょう。

    2-4. 近くも遠くも見る必要がある人は「遠近両用レンズ」の老眼鏡

    対象 詳細
    おすすめの人 メガネをかけたり外したりが面倒な人
    1日中老眼鏡をかけて過ごしたい人
    室内と室外の行き来を頻繁にする人
    運転中に老眼鏡をかけたい人
    おすすめしない人 外出先で細かな文字を一時的に見たい人
    スマホを見るときだけ、読書するときだけ使いたい人
    基本的にデスクワークだが、頻繁に歩いたり遠くを見たりする人
    見え方の歪みが気になる人

    近くも遠くも見る必要がある人は、「遠近両用レンズ」の老眼鏡がおすすめです。

    広い範囲ではっきりと見えるため、普段からメガネをかけていて老眼鏡を使いたいけれど、メガネをかけたりはずしたりが面倒という人には遠近両用レンズが適しています。

    例えば「1-3. 【ライフスタイル】」でお伝えしたように、接客業などで遠くのお客様を見たりレジを打ったりする、室内と室外を頻繁に出入りする、運転中に老眼鏡を使いたいという人には、遠近両用レンズが良いでしょう。

    ただし、遠近両用メガネは使い慣れるまでにコツがいるため、人によって好みが分かれます。遠くを見る際には顎を上げて下のレンズを見る、近くを見る際には上目遣いで上のレンズを見るというように、視線の使い分けが必要だからです。

    また、「③遠近両用レンズ」でもお伝えしたように、1枚のレンズが連続した度数になっているため、レンズの見る部分によっては、「やや歪んで見える」という特性もあります。

    【運転する場合はフレームの選び方にも工夫を】

    遠近両用レンズは上下で見え方が異なるため、以下のような特徴があります。

    • 視界が変わるときに歪んで見える
    • フレームの上部分が狭いため、近くを見るための視界が狭い

    上記のような特徴は、運転中にはあまり好ましくありません。これらを解決するには、視界を少しでも広くするのが有効です。具体的には、以下のようなことを意識して選びましょう。

    • 天地幅の広いフレームを選ぶ
    • ハーフリムやリムレスのフレームを選ぶ

    フレームやリムについては、「3. よりおしゃれに見える老眼鏡を選ぶならフレームや色にもこだわろう」で詳しくお伝えします。

    3. よりおしゃれに見える老眼鏡を選ぶなら「フレーム」にもこだわろう

    メガネはその人の雰囲気を左右するファッションの一部でもあります。ひと目であからさまに老眼鏡と分かるものは、できれば避けたいですね。

    よりおしゃれに見える老眼鏡を選ぶなら、フレームや色にもこだわりましょう。フレームの形や素材や色、太さやレンズの大きさによって、顔の印象はガラリと変わります。

    素敵な老眼鏡を選ぶためのこだわりポイントは以下の通りです。

    • フレームにこだわる
    • レンズの色にこだわる

    まずはフレームについて詳しく説明します。レンズに関しては次の章をご確認ください。

    フレームのデザインは、下記の4つに分けられます。

    • 形状
    • リム(レンズを囲う縁)
    • 素材

    この4つのポイントは、おしゃれな老眼鏡選びの決め手になりますので、必ず押さえましょう。

    ひとつずつ説明していきますね。

    3-1.【形状】

    フレームの形状は、最も重要なポイントです。なぜなら、フレームの形状次第で顔の印象がガラリと変わるからです。

    フレームの形状には、以下の5種類があります。

    • ラウンド型(丸)
    • オーバル型(楕円)
    • ボストン型(逆三角形)
    • スクエア型(四角)
    • ウェリントン型(幅広い四角)

    上記のフレームの形状は、顔の形によって似合うものと、そうでないものがあります。以下はフレームの形状と顔の形の相性を表にしたものです。

    顔の形/形状 ラウンド型 オーバル型 ボストン型 スクエア型 ウェリントン型
    丸顔 × ×
    面長
    逆三角形型 ×
    四角顔 × ×

    メガネが似合う最大の決め手は、フレームの形と顔の形とのバランスが取れていることです。

    例えば、丸顔や四角顔の人は、天地の幅が広いメガネをかけると顔の幅を強調してしまいます。しかし、天地(メガネの上下)の幅が狭いメガネなら、シャープさが加わることで顔の形を引き締めて見せる効果があります。

    反対に、面長の人や顎が細い逆三角形の人は、元々の顔がシャープな印象です。細いメガネをかけるとシャープさが強調されてきつい印象になりがちですが、天地の幅が広いタイプのメガネなら、柔らかな印象をプラスできます。

    こういった顔との相性を踏まえた上で、フレームの形状についてひとつずつ説明します。

    3-1-1.ラウンド型(丸)

    出典:さばえめがね館

    ラウンド型フレームの特徴
    似合う顔の形 面長、逆三角形の顔
    雰囲気 【顔に対してのレンズの大きさ】
    小さめ:学者風、レトロ、個性的、スタイリッシュ
    中くらい:万人に似合う
    大きめ:コミカル

    【フレームの太さ】
    太い:知的、個性的、レトロ、真面目、学者風
    細い:シャープ、繊細

    おすすめの人 ファッションと合わせて個性的な雰囲気を出したい人

    ラウンド型は、まん丸のフレームのメガネです。面長、逆三角形のお顔立ちの方に似合います。

    個性的かつ知性的な印象で、ジョン・レノンがかけていたメガネとしても有名です。最近では”文豪メガネ”として人気が高まっています。

    ラウンド型は元々個性的な印象があり、とくに、レンズの大きさやフレームで印象が大きく変わります。太いフレームにすれば知的で個性的に、細いフレームにすれば繊細でシャープな雰囲気にすることが可能です。

    個性的なため、ややビジネスの場では不向きです。ファッション性が高いため、周りの人と差をつけたい人にはおすすめのフレームといえるでしょう。

    3-1-2.オーバル型(楕円)

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    オーバル型フレームの特徴
    似合う顔の形 丸顔、四角顔、逆三角形の顔
    雰囲気 上品、親しみやすい、柔らかい、落ち着いた、控えめ
    おすすめの人 ・初めてメガネを作る人
    ・上品で落ち着いた雰囲気にしたい人

    オーバル型は天地の幅が浅めの楕円形です。

    柔らかい曲線が特徴で、控えめで落ち着いた印象があるため老若男女問わず人気があります。

    上品さと親しみやすさを兼ね備えているので、ほとんどのファッションに合いやすく、初めてメガネを作る人におすすめです。

    フレームの太さで印象がやや異なりますが、とくに細いフレームの場合、上品で優美な印象を与えることができるでしょう。

    3-1-3.ボストン型(逆三角形)

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    ボストン型フレームの特徴
    似合う顔の形 四角顔、逆三角形の顔、面長
    雰囲気 クラシック、スタイリッシュ、リラックス、カジュアル
    ※フレームの素材やカラーで異なる
    おすすめの人 ・フォーマルとカジュアルの両方で使用したい人
    ・視野を広く取りたい人

    ボストン型は逆三角形で柔らかい曲線が特徴的で、天地の幅が広いため、視界を大きく取ることができます。

    ラウンド型とオーバル型のちょうど中間位のフレームカーブを描き、下がやや細いことが特徴です。

    ボストン型は元々クラシックタイプと言われるフレームで、ビジネス・カジュアル両方に取り入れられるデザインです。

    日常生活ではもちろん、ビジネスシーンで使用したい方は、メタル製のフレームがおすすめです。爽やかですっきりとした印象を与え、シャツやスーツをより魅力的にします。

    3-1-4.スクエア型(四角)

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    スクエア型フレームの特徴
    似合う顔の形 丸顔、面長
    雰囲気 シャープ、真面目、固い、信頼感
    おすすめの人 ・真面目でシャープな印象にしたい人
    ・ビジネスライクな場面で使いたい人

    スクエア型は、四角く直線的で天地の幅が狭いデザインです。

    シャープな印象を与えるためビジネスシーンなどにふさわしく、男女ともに人気の形状です。

    男性の場合は黒縁にすればカチッとした印象になり、真面目で信頼感のある雰囲気になります。一方、チタンなどの金属製で、上部のみ、あるいは下部のみに縁があるハーフリムタイプにすれば、個性的かつ知的な印象になるでしょう。

    女性の場合も基本的には硬い印象になり、デキる女の雰囲気を演出できます。ただ、スクエア型でも、紫や半透明の白など色をつけることで、印象を和らげることができるでしょう。

    3-1-5.ウェリントン型(幅が広い四角)

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    ウェリントン型フレームの特徴
    似合う顔の形 面長、丸顔、四角顔、逆三角形の顔
    雰囲気 スタイリッシュ、若々しい
    おすすめの人 ・ビジネスで使いたい人
    ・フォーマルになりすぎない印象にしたい人
    ・視野を広く取りたい人

    ウェリントン型は、直線的ですがスクエア型よりも天地の幅が広いのが特徴です。スタイリッシュで若々しい印象があり、男女ともに人気があります。

    メガネ自体の面積が大きいため、よりファッション性が高くなります。基本的な考え方はスクエア型と同じですが、曲線が入っている分、ややカジュアルな印象が強くなるのが特徴です。

    ウェリントン型のほとんどはセル(プラスチック)製です。芸能人で、白や黄色のウェリントンのメガネをトレードマークにしている人も見かけますね。男性でも、ウェリントン型なら赤いフレームを選択しても違和感なく似合います。

    黒やべっ甲柄にすればスタンダードな印象に、赤いフレームにすれば知的で華やかな印象にすることができます。

    3-2.【リム】

    リムとはいわゆる縁(ふち)のことで、以下のようにレンズ全体を囲うタイプや縁無しタイプなどの種類があります。

    【リムの種類3つ】

    • フルリム(全囲い)
    • ハーフリム(上部または下部などの半分のみ)
    • リムレス(縁無し)

    メガネは、リムの占める割合が少ないほどメガネの存在感が少なくなるため、人に与える顔の印象が変わります。

    ひとつずつ説明します。

    3-2-1.フルリム(全囲いタイプ)

    ポイント 説明
    フルリムの特徴 レンズ全体を囲む一般的なタイプ
    おすすめの人 初めてメガネを作る人

    3-2-2.ハーフリム(半囲いタイプ)

    出典:さばえめがね館

    ポイント 説明
    ハーフリムの特徴 レンズの半分(上または下だけ)を囲むタイプ
    おすすめの人 ・メガネの存在感を薄くしたい人
    ・運転中に使いたい人

    ハーフリムはレンズの半分だけを囲っているタイプです。レンズの半分はむき出しになっているため、安全性から一般的にガラスのレンズには使用されません。

    フルリムよりもリム部分が少ないので、見た目の”メガネをかけている感”を少なくすることができます。

    上半分のみにリムがあるハーフリムは眉毛付近にリムがあり、メガネの存在を残すので知的な印象を与えます。反対に下半分のみのハーフリムは、メガネの存在を薄くします。

    下半分のみのハーフリムは上部の視界を広げることができるため、運転用に遠近両用レンズと老眼鏡を作りたい方にも適しています。

    3-2-3.リムレス(縁無し)

    出典:さばえめがね館

    ポイント 説明
    リムレスの特徴 いわゆる「縁無し」のタイプ
    おすすめの人 ・メガネの存在感をなるべく薄くしたい人
    ・運転中に使いたい人

    リムレスは、いわゆる縁無しメガネです。レンズの横に直接穴を開けてレンズを支えます。

    リムレスは落下やぶつけたときの衝撃に弱いという特徴があり、通常、ガラスのレンズは使用されず、プラスチックのレンズが使用されるケースが多いです。

    リムがレンズを囲っていないため、メガネの印象が控えめです。より素顔に近く、メガネをかけているという印象をなるべくなくしたい方におすすめのタイプです。

    また、リムレスは他の人と差をつけたい場合や、アイメイクを見せたい方にもおすすめです。繊細でクリーンな印象なのでオフィスワークやフォーマルの場などに適しています。

    反対に、アメカジなどのカジュアルファッションには、向いていません。

    3-3.【素材】

    フレームの素材は、かけ心地や見た目の印象に直結するものでもあるため重要です。フレームと一口に言っても、様々な素材が使われます。

    素材の主な種類は以下のとおりです。

    • メタルフレーム(チタン合金などの金属)
    • セル(プラスチック)
    • コンビネーション(異素材同士の組み合わせ)

    こちらもひとつずつ説明します。

    3-3-1.メタルフレーム(チタン合金などの金属)

    出典:さばえめがね館

    ポイント 説明
    メタルフレームの特徴 チタンやチタン合金などの金属を用いたフレーム
    おすすめの人 ・シャープな印象にしたい人
    ・首や肩が凝りやすい人

    メタルフレームとは、チタンやチタン合金などの金属を用いたフレームです。

    セルなどの素材よりも比較的軽く、しなやかで弾力性に優れているため、メガネをかけている感覚をあまり感じさせません。

    メタルフレームはシャープな印象です。ただ、シャープになりすぎるのが嫌な方は、赤など色のついているものにすることで柔らかい雰囲気にすることができます。

    メガネをかけると首や肩が凝りやすいという方にも、軽くしなやかなメタルフレームはおすすめです。

    3-3-2.セル(プラスチック)

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    ポイント 説明
    セルフレームの特徴 プラスチックのフレーム
    おすすめの人 ・フレームで個性を出したい人
    ・カラフルな色を楽しみたい人
    ・複数のメガネをかけ替える人

    セルはプラスチックでできたフレームです。デザインや色味などが豊富なので人気があります。

    リムとフレームが一体型になっている太いセルは、レトロやクラシックという印象です。一方、フレームを思いっきり太くして柄が入っているものなど、遊び感のあるようなタイプもあります。

    ただし、セルは重みがあるため肩や首が凝りやすく、長時間かけていると耳が痛くなるという方にはあまりおすすめしません。セル部分が多くなれば、その分重量も重くなります。

    また、セルフレームはデザインによって鼻あて(鼻パッド)とリムが一体型のものもあります。

    通常のメガネは鼻あてが独立しており、鼻あてが顔にフィットしているので、メガネ全体が多少ズレてもピントが大幅に合わなくなるということはありません。

    しかし、一体型のものは、セルの重みで鼻あても下にズレやすいです。鼻あてがズレることでレンズのピントが合わないと、老眼鏡の役割が果たせなくなります。

    セルの老眼鏡は、老眼鏡を一時的に使う方や、複数の老眼鏡と用途に合わせて、かけ替えて使う方に向いているといえます。

    3-3-3.コンビネーション(異素材同士の組み合わせ)

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    ポイント 説明
    コンビネーションフレームの特徴 異なる素材を組み合わせたフレーム
    おすすめの人 ・フレームで個性を出したい人
    ・おしゃれ感とメガネの軽さの両方を求める人

    コンビネーションは、メタル、セル、カーボン、天然木などの異なる素材同士を、フレームに用いているメガネです。

    チタン製のリムの周りにプラスチックを巻いたタイプなど、バラエティに富んでいます。

    セルのおしゃれ感が欲しいけれど、メガネ全体が重いのは避けたいという方には、リムがセルでフレームがチタンなどの、コンビネーションのものがおすすめです。

    3-4.【色】

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    出典:さばえめがね館

    老眼鏡のフレームの色も、顔の印象を左右する重要な要素です。

    メガネ選びでの色は、一般的には以下のような印象があります。

    与える印象
    スタンダード、スタイリッシュ、落ち着いた
    茶色 落ち着いた、温かい、ナチュラル
    シルバー 落ち着いた、スタイリッシュ、シャープ
    ゴールド 華やか、シャープ
    青、緑などの寒色系 シャープ、個性的、落ち着いた
    赤、オレンジ、ピンクなどの暖色系 温かい、元気、華やか
    べっ甲柄 カジュアル、スタイリッシュ、ナチュラル

    この他、赤や青でも暗いトーンのエンジ色や紺色なら落ち着いた印象になり、肌色や半透明などの薄い色はメガネの存在感が弱まって優しい印象になります。

    ただし、色は素材によって印象が変わるので、「3-3. 【素材】」でご紹介したような、素材も考慮して選びましょう。

    4. よりおしゃれに見える老眼鏡を選ぶなら「レンズ」にもこだわろう

    出典:さばえめがね館

    老眼鏡は、レンズの色も意外に重要です。

    レンズに色が入っていると、血色をよく見せたり顔を引き締めたりする効果もあり、オシャレ感もグンと増します。

    4-1. 上部のみに色がついている老眼鏡

    出典:さばえめがね館

    老眼になると太陽や蛍光灯などの光が眩しく感じるようにもなりますが、レンズにほんの少し色が入っていると、目への刺激も和らげてくれるのでおすすめです。

    度付きカラーレンズは、主にブルー系、グリーン系、ブラウン系、グレー系、ピンク系、オレンジ系などがあります。

    4-2. レンズの色と期待できる効果

    レンズの各色と期待できる効果は以下の通りです。

    レンズの色 期待できる効果
    ブルー系、グリーン系 肌のくすみや赤みを目立たなくし、明るく透明感のある肌に見せる効果が期待できます。
    ブラウン系、グレー系 目元に立体感を作って彫りの深い印象に見せる効果を期待できます。
    ピンク系、オレンジ系 目元にほのかな赤みをプラスし、血色のよい健康的な顔に見せる効果が期待できます。

    この他、紫外線の量によって色の濃さが変わる調光タイプは、室内や夜間は色がつかず、屋外で紫外線が多いときに色が濃くなります。必要なときだけ眩しさから目を保護してくれるので便利です。

    レンズの色はファッション性も兼ねているので、色々と試着して好きな色や似合う色を選ぶ楽しみもあるでしょう。

    5. もっと詳しく!老眼鏡を選ぶ際のQ&A

    老眼鏡を選ぶ際には他にも色々と疑問が浮かんでくると思います。ここでは、よくある質問をQ&Aにまとめました。ぜひ、ご参考くださいね。

    Q1. 100円ショップの老眼鏡ではダメですか?

    A. 100円ショップの老眼鏡を日常的に使うのはおすすめしません。

    100円ショップの老眼鏡はメガネ専門店で作った時とちがい、左右のレンズの度数が同じです。しかし、人間の目は普通、左右の目の度数が異なることが多いです。

    そのため、100円ショップの老眼鏡を使い続けるとあなたの目と合わずに、疲れ目の原因にもなってしまう可能性があります。

    Q2. 老眼鏡はどれくらいの頻度で買い換えるのがいいですか?

    A. 老眼鏡は一般的に2〜3年くらいの頻度で買い換えましょう。

    なぜなら、老眼は60歳くらいまでは進行するからです(※個人差があります)。

    特に、老眼になり始めの40代はもっとも老眼が進みます。いきなり高価な老眼鏡を作るとすぐに買い換えなければならなくなるので、経済的に大変です。

    また、年齢とともに似合うファッションが変わっていくのと同様に、メガネのフレームも年齢とともに似合うデザインが変わってきます。

    最初はフレームも含めて無理のない価格のものを購入し、60歳を過ぎてこれ以上老眼が進まなくなったら少し高価なものを買い求めるのが良いでしょう。

    Q3. 老眼鏡を使うと老眼が進行するんですか?

    A. 老眼鏡を使うと老化が進行するというのは間違いです。

    しかし、老眼鏡を使わずに過ごすと、日常的に目に負担をかけてしまうので疲れ目を助長させる恐れがあります。目に負担がかかった状態が続くと、疲れ目が治りにくくなってしまうことも。

    疲れ目だけに限らず、年を重ねると、老眼とともに白内障や緑内障といった目の病気が出てくる人も多くいます。眼科で検査をすると、老眼の度数だけでなく目の病気なども発見することができます。

    老眼鏡をまだ使用していない方は、あなたの目の健康のためにも、老眼鏡を使用されることをおすすめします。また、眼科に検査にいくことで、大切な目の病気の早期発見につながる可能性もあるので、定期的に検査にいきましょう。

    Q4. 作った当初はピントが合っていても、使っている内にだんだん合わなくなってくるのは使い方が悪いんでしょうか?

    A. 老眼鏡の使い方も、ピントが合わなくなる原因のひとつです。

    どんなメガネでも、かけているうちにフレームは少しずつ緩んで広がっていきます。

    フレームが緩んで下がってくると、フィットした状態からピントが外れてしまうため、メガネが合わないと感じてしまいます。

    そのため、定期的にメガネ店でメンテナンスしてもらうのがおすすめです。ほとんどのメガネ店では、メガネのフレーム調整を無料で行っているので、外出の折に気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

    また、「Q2. 老眼鏡はどれくらいの頻度で買い換えるのがいいですか?」でもお伝えしたように、老眼は個人差がありますが、60歳くらいまでに徐々に進行していきます。

    老眼鏡が合わなくなってきたなと感じたら、メガネ店や眼科で検査し、その時の目の状態に合った老眼鏡に作り替えることがおすすめです。

    Q5. コンタクトを使っているけど、上から老眼鏡をかけてもいいの?

    A. 問題ありません。

    普段コンタクトを使用している方にも、老眼鏡は必要です。

    コンタクトで視力補正(視力矯正)をしていると、遠くのものは見えますが、近くのものが見えないことがあるかと思います。なぜなら、コンタクトには近くのものを見えやすくするピント調整機能がないからなのです。

    老眼になると、近くのものが見えにくくなってしまいます。コンタクトの上から老眼鏡をかけることで、近くも遠くもばっちり見えるようになりますよ。

    コンタクトレンズと老眼鏡の度数は基準が異なるため、必ず眼科で今の視力を測ってから、老眼鏡を作ってくださいね。

    Q6. 老眼鏡ってどこで買うのがいいですか?

    A. 老眼鏡はメガネ店で購入するのがおすすめです。

    眼科でも購入することができますが、一般的な眼科は、メガネ店のようにバラエティに富んだデザインなどを豊富に置いているところが少ないというのが実情です。

    そのためメガネ店での購入がおすすめですが、実はメガネを仕立てる技能は、スタッフによって異なるということをご存知でしょうか。同じ店舗内でも、スタッフによって仕上がりに差があるのです。

    しかし、どのスタッフが高い技能を持っているかを知るのは難しいですね。そんな悩みを解消するために生まれたのが「眼鏡作製技能士」です。「眼鏡作製技能士」については、次の「6. 「眼鏡作製技能士」がいる店舗なら老眼鏡選びに失敗しない!」で詳しくお伝えします。

    6. 「眼鏡作製技能士」がいる店舗なら老眼鏡選びに失敗しない!

    初めての老眼鏡を失敗なく選びたいなら、「眼鏡作製技能士」がいる店舗がおすすめです。

    眼鏡作製技能士は全国の各メガネ店に在籍しているため、お近くの店舗で「眼鏡作製技能士」に老眼鏡を仕立ててもらえば、初めての老眼鏡選びでも失敗しません。

    「眼鏡作製技能士」はまだ作られたばかりの新しい資格です。眼鏡作製技能士について、以下の内容を詳しく解説します。

    • 眼鏡作製技能士とは
    • 眼鏡作製技能士に依頼するメリット
    • 眼鏡作製技能士のお仕立て例

    ひとつずつ説明します。

    6-1. 眼鏡作製技能士とは

    「眼鏡作製技能士(がんきょうさくせいぎのうし)」とは、メガネ業界初の国家検定資格です。いわば、メガネのスペシャリスト。

    世界の40カ国以上の国ではメガネの仕立てに関する資格制度があり、日本でも2022年11月16日に第1期生として全国に約6000人が誕生しました。

    これにより、一般の販売員と、メガネをお仕立てする一定以上の技能を有したスタッフの判断がつきやすくなりました。

    メガネは医療補助器具という役割を持ちながら一方でファッション性という側面もあるため、簡単に作ることができる格安メガネも人気です。しかし、中には簡易測定のみで作る店舗もあるので、本当に自分に合ったメガネをかけていない可能性も考えられます。

    2022年10月7日に消費者庁から発表されたデータによると、メガネが原因で頭痛やめまい、吐き気などが起こったという報告の、約80%以上が40代以降の方によるものでした。

    出典:消費者庁 眼鏡の不適合による体調不良等に注意!

    今回誕生した眼鏡作製技能士は、メガネのトレンドやメガネ作製の技能だけでなく、医療との連携やコンプライアンスなどの知識と情報も持つ専門家です。

    眼鏡作製技能士がいる店舗は一定以上の技能を保つメガネ店の証ともいえるでしょう。

    6-2. 眼鏡作製技能士に依頼するメリット

    眼鏡作製技能士に依頼するメリットは、かけ心地や見え心地の質が良いということです。希望すれば、第三者から見てご自分に似合うフレームの提案もしてくれます。

    眼鏡作製技能士は一般の販売員よりも、測定の精度、レンズ加工 、フレームのフィッティングなどの能力が高いため、初めてでも満足度の高い老眼鏡を作ることが可能です。

    例えば、目は人によって左右の度数や乱視の具合など状態が異なります。簡易測定では分からない左右の細かな状態を測定し、その人にピッタリと合うメガネを作ることができます。

    フレームのフィット感にしても、人によってゆるくかけたい人もいれば隙間なくピッタリとかけたい人など好みも様々です。眼鏡作製技能士はこうした1人ひとりの好みに合ったフィット感も考慮して、フレームの角度などを調整してくれます。

    6-3. 眼鏡作製技能士のお仕立て例

    眼鏡作製技能士が関わると、一体なにが違うのでしょうか。実際に眼鏡作製技能士が関わったお仕立て例をいくつかご紹介します。

    お仕立て例:30代

    顔からパソコンまでの距離を測り、長時間パソコンを使っても眼が疲れない度数のメガネを作製した例です。これにより、仕事の効率も上がり、目だけでなく体全体の健康も保つことができたと喜んでいただきました。

    お仕立て例:40代

    鼻あてを気にする人はあまりいないのではないでしょうか。鼻あての歪みを改善することで、見えにくさや疲れやすさが改善された例です。鼻あては交換することもできるので、お気軽にお声がけください。

    お仕立て例:50代

    遠近両用メガネは、使い方にコツが要ります。いくらピントが合っていても、使い方が分からなければ使いこなすことができません。

    眼鏡作製技能士はただ作製するだけでなく、視線の動かし方のレクチャーなどメガネを十分に使いこなすための配慮も行います。他にも疑問があれば、どんな些細なことでもご相談ください。

    一般社団法人 日本メガネ協会が運営するホームページ「かけごこち」では、眼鏡作製技能士が在籍する店舗を探すこともできます。お近くの店舗を探す際には、以下のリンクをご利用ください。

    ▶眼鏡作製技能士が在籍する店舗を探す

    7.まとめ

    これまで、老眼鏡の選び方を説明しました。最後にこの記事を簡単にまとめましょう。

    老眼鏡を選ぶときの5つのポイント

    • 度数
    • 目の状態
    • ライフスタイル
    • かけ心地
    • レンズ

    老眼鏡のレンズの種類

    レンズの補正機能 特徴
    単焦点レンズ 手元から30〜40cm程度の近い距離が見える
    累進多焦点レンズ 近々用レンズ:手元から1m範囲程度の近い距離が見える
    中近両用レンズ:手元から室内が見渡せる程度の中距離までが見える
    遠近両用レンズ:手元から5m以上までと、近くも遠くも見得る

    使用シーン別のおすすめの老眼鏡

    • 30〜40cmくらいの手元での作業に使いたい人は「単焦点レンズ」の老眼鏡
    • 30cm〜1mくらいでデスクワークなどをする人は「近々用レンズ」の老眼鏡
    • 手元から5mくらいで日常生活で使いたい人は「中近両用レンズ」の老眼鏡
    • 近くも遠くも見る必要がある人は「遠近両用レンズ」の老眼鏡

    おしゃれな老眼鏡選びのコツ2つ

    • フレームにこだわる
    • レンズの色にこだわる

    見え心地やかけ心地も重視する方は「眼鏡作作製能士」のいるメガネ店で作るのがおすすめ

    以上になります。

    2022年11月には「眼鏡作製技能士」という国家資格ができました。眼鏡作製技能士はメガネをお仕立てするプロです。

    お仕立て(測定の精度、レンズ加工 、フレームのフィッティング等)の能力差によって、かけ心地・見え心地が大きく変化します。

    あなたが初めての老眼鏡を作るために、デザイン性やかけごこちを考慮した、最高の老眼鏡を選ぶことができることを願っています。

    我妻 三朗 監修

    眼鏡作製技能士は、日本初の「メガネお仕立て」の国家検定資格です。世界の40か国以上の国々では、眼鏡のお仕立てに資格制度が導入されています。ところが日本では、資格が無くても誰でもメガネのお仕立てができる状況でした。ついに日本でも「生活者の眼の健康のため」に、難関試験に合格したメガネお仕立てのプロフェッショナルが誕生しました。

    店頭に並んだメガネは完成品ではありません。ご自分の目やお顔に最適に調整されて、初めて完成します。眼鏡作製技能士は、世界に一つのあなただけのメガネをお仕立てします。眼鏡作製技能士について詳しく見る。